予約在庫数の管理をkintoneで行う―kintoneとkrewDataで作る予約管理システム―

今回のkintoneで脱Excelをめざすブログでは、kintoneとkrewDataで行う予約在庫数の管理についてご紹介します。Excelや紙で行っている予約管理業務に課題がある方におススメです。

Grapeファームの兄弟はぶどう狩りの予約管理にお悩み

仁(じん)さんと紗琉度音(しゃるどね)さんは両親から受け継いだGrapeファームを経営する兄弟。両親が大切にしてきた自然豊かな農場を大切に守り育てていきたいという思いを持つ素敵すぎる兄弟。

毎年秋はぶどう狩りの時期で繁忙期。押し寄せる予約をなんとかExcelで管理しているが、頻繁に起こるオーバーブッキングに頭を抱えている。愛するぶどうにもっと情熱を注ぎたいが、全力でぶどうに向き合えない日々に葛藤している。

ある日の午後

予約の連絡が入ったようです。仁さんが予約表を確認しながら対応していますね。1日の予約はまだ入っていないから、すんなり予約できました。

5分後

弟の紗琉度音さんが農場から戻ってきました。

なんと、対応できないくらいたくさんの予約を受けてしまったことが発覚!お客様に連絡して日程の調整をしないといけませんね。最近こういうことが頻発しています‥
予約のやり取りがうまくいかないと、キャンセルになったりクレームになることも多くて悩みの種です。

ねぇねぇ、予約在庫数の管理がkintoneとkrewDataでできるって知ってる?

「仁くん、紗琉度音くん、ひさしぶり~。2人が予約管理に頭を抱えていると聞いたから、フルーリー来ちゃいました。」

フルーリーちゃん
グレープ家の二人のいとこでIT企業で働いている。kintoneが大好きで色んなプラグインのこともよく知っているkintone女子。いとこが予約管理に悩んでいると聞いて訪ねてきた。
※フルーリーという名前は赤ワインの品種にちなんでつけられた。フルーリーは華やかで優美なワインで、フルーリーちゃんも周りを魅了する優美さがある。

「複数人で予約を受けると、どうしても重複して予約を受けてしまったりということが起きるのよね。特に、紙やExcelを使って複数人で管理しているとこういうことが起きやすいし、あるあるだと思うわ。今回は、2人が困っていることを解決するためにkintoneとkrewDataで予約数の管理を行う方法を紹介するね!この先はわたしに任せて~」

【知っておいてほしいの】krewDataのプランと前提となる考え方

★利用プラン:krewDataリアルタイム実行プラン
今回はkrewDataのリアルタイム実行プランを使用したシナリオです。
スケジュール実行プランでは設定した時刻に処理を実行します。今回のように情報のリアルタイム性が業務にとって大切である場合には、リアルタイム実行プランを選択するのがベターでしょう。
(参考情報)プラン比較表

★実行方法:APIによる実行
krewDataのリアルタイム実行プランは、①kintoneのWebhookによる実行 ②APIによる実行 の2つから実行方法を選ぶことができます。ジョイゾーさんのkrewData手動実行プラグインを使用すると、ボタンをクリックする時など任意のタイミングでkrewDataのフローを実行できます。
今回のフローでもAPI実行を利用します。

まずはkintoneでアプリを作成するわよ

予約可能数管理アプリ

予約可能な数を日ごと/プランごと(あれば)登録しておくアプリ。予約が入った時には、このアプリに登録されている予約可能数/残数を元に予約できるか判断できるのよ。

kintoneで作成した予約可能数管理アプリ

日によって受け入れ可能数が違うから、日ごとに上限を設定できる構成なのはいいね。

来月分のシフトが固まったら、予約可能数もCSVファイルで一気に登録できそうだね。

予約アプリ

お客様から予約を受け付けてから予約内容を登録するアプリよ。紗琉度音くん、予約を受けたらまずはここに予約内容を登録するのよ☝

kintoneで作成した予約アプリ

フルーリーのワンポイントコーナー

このアプリには、ジョイゾー社が提供しているkrewData手動実行プラグインを使用しているの。各ボタンをクリックしたタイミングでkrewDataの処理が行われるしくみになっているわ。

ジョイゾー社のkrewData手動実行プラグインを使用すると、krewDataを任意のタイミングで実行できる

krewDataでできることと実際の運用イメージを解説するわ

krewDataのフロー

krewDataで次の3つのフローを作成したわ。1つずつ概要を解説するわネ。

  1. 予約が可能であるか確認するフロー
  2. 予約確定時に予約可能在庫数を調整するフロー
  3. キャンセル時に確保していた予約数を在庫に戻すフロー

1.予約が可能であるか確認するフロー

予約情報の入力

予約を受け付けたら、まずは予約管理アプリに受け付けた情報を登録するのよ。レコード内に表示される「予約可否を確認する」というボタンをクリックすると、krewDataのフローが実行されて予約できるのか確認できるの。

予約管理アプリに登録した予約情報(レコード)

krewDataの処理

krewDataのフローはこんな感じ。かんたんに説明すると、予約可能数管理アプリのデータと突き合わせて、予約したい日の予約残数を確認しているわ。予約自体が可能かどうか確認するための処理ね。

③krewData実行後

krewDataが予約の可否を確認した後、予約管理アプリのレコードが更新されて予約が可能かどうか確認できるわ。「予約可否」フィールドを確認すると、予約が可能であることが分かるわね。

予約できない場合

予約希望数が残数を上回るなど、予約ができない時には下記のように不可と表示できるわ。

予約不可と表示された画面

予約を受け付けたときに、今みたいなフローで確認すれば上限数を上回る予約を受け付けることがなくなるわ。
オーバーブッキングを防ぐ大切なフローだから、まずはレコードを登録して確認する習慣をつけてね。

2.予約確定時に予約可能在庫数を調整するフロー

1のステップでは、予約が可能であるかどうか確認したわよね。
続くこのステップでは、予約を確定する処理を行うわ。実際に予約数を確保するので、予約可能数管理アプリで管理している在庫数の調整も行うわ。

①予約の確定

今度は、「予約を確定する」ボタンをクリックしてkrewDataを実行しましょう。

②krewDataの処理

実行するのはこのフロー。予約が可能か改めてチェックし、予約可能数管理アプリで管理している「予約可能数」から予約を受け付けた分を引き算しているわ。

③krewData実行後

krewDataを実行した後の各アプリがこちらよ。予約アプリではステータスが「予約確定」に更新されているわね。予約可能数管理アプリでは、予約アプリで入力した数量分が反映されて「予約残数」が0に変更されたから確認してみて。

3.キャンセル時に確保していた予約数を在庫として戻すフロー

予約確定後にキャンセルが入ることもあるわよね。予約数として確保していた分を、再度予約可能数(在庫)として扱いたい場合の処理をkrewDataで行うのよ。

①予約のキャンセル処理

今度は、「予約をキャンセルする」ボタンをクリックしてkrewDataを実行するわ。

②krewDataの処理

実行するkrewDataのフローがこちら。大まかに説明すると、予定していた予約数を予約可能数管理アプリの在庫として戻す処理を行っているのよ。

③krewData実行後

krewDataを実行した後のアプリがこちら。予約アプリの「予約ステータス」がキャンセルとなり、予約可能数管理アプリの残数が10に増えたわね。

キャンセル後も予約可能な枠を可能な限り共有して活用できるから、意外と大事なフローよね。

ジョイゾー社の条件付き入力制御プラグインを使うと運用時のヒューマンエラーを防げるのよ

ここまで予約管理の仕組みについて解説してきたわ。何となくイメージできたかしら?
予約の確認時や確定時などにボタンをクリックしてkrewDataを実行する場面があったじゃない?
時々起こることとして、操作する方の誤った操作によって意図しないデータになることがあるの。たとえば、「予約確定」フェーズなのに「予約キャンセル」ボタンをクリックしちゃうみたいな感じ。

こういうヒューマンエラーを防ぐために、ジョイゾー社の条件付き入力制御プラグインを一緒に使うのがおすすめ。予約確認時なら「予約可否を確認する」ボタンしか表示しないように制御できるの。

実際の予約管理時には、慌てて操作してミスしてしまうなんてこともありがちだし、より本格的に予約管理の仕組みを作りたいなら併用を検討してみてね。

Grapeファームの兄弟も予約管理の仕組み作りに挑戦!

フルーリー、ありがとう!助かったよ。
kintoneとkrewDataを使えば俺たちの農場の未来も明るいよ。

うふふ、2人の役に立てたようでフルーリーも嬉しい。

フルーリー、アプリの作成までは手伝ってあげることができないんだけど、krewDataドリルを使えば今日教えてあげた内容をもっと詳しく知ることができるわ。

テンプレートセットもあって、Grapeファームのkintone環境に読み込めば設定値まで確認できるの。あとは農場の予約管理の運用に合わせて設定をカスタマイズしてみるといいかも。

じゃあ、また会いましょうね。健闘を祈るわ~!

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このブログは、kintoneプラグイン「krew(クルー)」を開発・販売するグレープシティ株式会社が運営しています。
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